世界はまだ死なないかも

引きこもりの三連休。背中を痛めて調子悪いし・・・と自分に言い訳し、初日はだらだら。二日目も、雨が降っているし・・・と引きこもってCATVで録画したヴェルナー・ヘルツォーク&クラウス・キンスキー祭り。『アギーレ/神の怒り』『ノスフェラトゥ』『フィツカラルド』を立て続けに観て、クラウス・キンスキーの野獣さにすっかり参ってしまう。下唇が娘のナスターシャ・キンスキーおんなじ。下唇のぽってりした人は好きなんだけどなあ。夜は週に二日しか営業しない近所のパン屋さん(おいしい)で調達したフォカッチャに、スモークサーモンとか、アスパラとか、焼き野菜でワインを飲む。

三日目にようやく重い腰を上げてリニューアルした東京都写真美術館へ。杉本博司の『ロスト・ヒューマン』展、素晴らしかった。カミュ『異邦人』の冒頭は「きょう、ママンが死んだ。もしかすると、昨日かも知れないが、私にはわからない。」(窪田啓作訳)で始まるが、これをタイトルにした「今日 世界が死んだ もしかすると昨日かもしれない」シリーズで展覧会が始まる。33の終末シナリオが用意されて、それに沿ったインスタレーションなんだけど、シナリオそれぞれが浅田彰とか平野啓一郎とか朝吹真理子とか束芋などによる手書きになっていて、それが案外面白い。私の好きな劇場シリーズの新バージョン「廃墟劇場」シリーズもよかった。帰りは当然恵比寿ビール。雨でちょっと寒かったけど、外で飲むビールはやっぱりうまいです。

杉浦日向子の新刊と言っていいのだろうか『彩色江戸漫画 花のお江戸の若旦那』(河出書房新社)を読む。いいねえ。このとぼけた感じ。明日が明るくなってくる。