桜をたのしむ

風が吹くとはらはらと散ります

3月の最終日に休暇を取って地元の桜並木を堪能した。田んぼと畑が広がる地帯に延々と続く桜並木で、駅から遠いのはもちろんバス停からも少し歩くため、観光地化されておらず静かでよいのだ。朝起きて、おむすびとお茶とおやつのチョコレートをバッグに詰めて、数キロを歩き半日のんびり。あれから2週間たったが、いま、満開の桜を楽しんだあの幸せな半日が心の支えとなっている。(今後、主に仕事方面で嵐がやってくる予感。)

早稲田文学2018年春号『金井美恵子なんかこわくない』(余談だが特別付録として綴じられている全表紙カラー掲載の金井美恵子著作1968〜2018年に誤りがあり、早稲田文学編集室に連絡して差し替え版を郵送してもらった。裏表紙も"傑作長編「噂の娘」"と書くべきところ「噂の女」とタイトルを誤っている)を読んでいたら猛烈に金井作品が読み返したくなり、この2週間は『目白雑録』シリーズが通勤本となっている。同時に『金井美恵子エッセイ・コレクション[1964-2013]1 夜になっても遊びつづけろ』(平凡社)を食卓に常備し、主に夕食時にパラパラ読んでいる。『『スタア誕生』』(文藝春秋)も読みたいのだけれど、読みだすとまとまって読みたくなるし、集中したいので、もう少し我慢。嵐がやってくるような不穏な空気の中(心の中がなんとなく波立っている状態)ではあまり読みたくないのだ。

とはいえこの1週間、映画館で『ペンダゴン・ペーパーズ 最高機密文書』を観て、ヨルゴス・ランティモス監督『ロブスター』と黒沢清監督『クリーピー 偽りの隣人』をCATVで観た。どれもよかった。『ロブスター』はかなり好みなので、この監督の新作『聖なる鹿殺し』も見に行きたい。

久住兄弟のユニットQ.B.B.による『古本屋台』(集英社)、すごーくいい。いやな夢を見ない予防薬として、就寝前に読む本に決定した。