大人になるということ、もしくは知恵

今日も寒い。寒いだけでなく乾燥しているので手指がカサカサ。年齢のせいか、だんだん乾燥がこたえるようになってきた。いつの頃からか、ハンドクリームを塗る前に保湿ローションを塗るようにしている。いつだったか手タレの人が勧めてめていたお手入れ方法で、手タレの人の生活の知恵です。

「ストーリーのあるモノと暮らし」から「自由に生きる大人の女性へ!」とリニューアルされた『ku:nel』の特集は「フランス女性の生活の知恵」。『Olive』時代からファンだった淀川美代子さんを編集長に迎えることになったと知った時から楽しみに待っていたのだけど、期待が大きすぎたのだろうか、がっかりした。自分にしては珍しくあれこれ言いたくなったので、以下、書きます。記事はそれなりに丁寧に取材されたものなんだろうなあとは思うけど、写真やレイアウトに新鮮味がないし、クウネルくんもいない。ごろりでゆるりもなくなった。なんだろう、赤色のタイトルロゴは淀川さんが編集長だったインテリア雑誌『MAISHA』に似てるし、中身は『暮らしの手帖』みたい(紙質も似ている)だし、『クロワッサン』にもちょっと似た感じになった。これが「大人」なのだと言われればそうなのかもしれないけど、クウネルに漂っていた透明感と少女の心は失われたような気がする。かつての淀川さんのオリーブがリセエンヌを応援し、そのオリーブに熱狂した世代がターゲットとなった新クウネルがフランス女性を取り上げるのはわからないでもないけど、オリーブが熱狂的に受け入れられたのは、オリーブがリセエンヌをはじめとする新しい文化・価値観を取り入れた斬新なものだったからであって、すでに凡庸といえるぐらいにそのライフスタイルが浸透してきたフランス女性を紹介するのとはわけが違う。クウネルの読者は「生活の知恵」なんてきっと求めていない。「知恵」なんていうちょっと賢くなったふりをするようなところではなく、もう少し考え方の基本となるようなところに響くようなものを求めていたんだと思うし、以前のクウネルにそういう精神を認めたから共感していたんだと思う。クウネルという名前は引き継がないほうが良かったのではないか。残念です。

クウネルのAmazonレビューが「静かに燃えている」ということをTwitterで知り、読む。いちいちうなずく。