本の中でだけ、音を立てている

morinori2013-01-14

朝、目を覚ましたときは雨だったので「ちぇ」とがっかりしたものだったが、さっきから雪になってもう、すっかり白くなった。でもぼたん雪だから、明日には溶けちゃうかな。

お正月に買った柳下毅一郎『新世紀読書大全』(洋泉社)を読むと、寺山修司の『不思議図書館』『幻想図書館』を思い出す。高校生のときに『不思議図書館』を読み、世の中にこんな変態(?)な本があることに衝撃を受け、インターネットもない当時のことだったから、いったいどこでこんな本が読めるのだろうかと街の本屋さんを巡ってみてもどこにもそんな本は売っていなかったので、果たして紹介されている本は実在するのだろうかと、すごく不思議な気持ちになったあの当時。懐かしい。いまじゃネットでググればだいたい出てきちゃうよ。なんだか簡単すぎて味気ないと思ってしまうのは歳のせいかしら。

今読んでいるのは、新潮クレスト・ブックスからミハイル・シーシキンの『手紙』で、時空を超えた恋人の書簡集。日記のタイトルにした言葉は『幻想図書館』のなかで、寺山修司が『華氏451』を評した一節。あの映画のラストも雪だった。『手紙』は今日みたいに静かに日に読むのにちょうどいいみたい。