listening to old items

結局観ないまま近所での上映が終わってしまった『ノルウェイの森』。すでに内容すらうろ覚えだったので、読みなおしてからにしようとぐずぐずしていたら、時が経ってしまった。私の場合、こうやっていつも世間から遅れていく。今日もいまさらながらトラン・アン・ユン監督『夏至』をビデオで観た。
湿度の高い映画だなあ。肌はしっとり、黒髪はみずみずしくつややかで、いたるところで雨が降り、登場人物はいつも身体を水に触れさせている。乾燥したこの季節に観てしまったせいか、苛立ちにも似た嫉妬を覚えてしまうわ。映像があまりにもしっとりした雰囲気だけど、『ノルウェイの森』はどうなんでしょう。個人的なイメージだけど、60年代ならもう少し褪せた感じが似合いそうな気がする。

Listening to Richard Brautigan読書も、読みそこなったままの藤本和子さんの『リチャード・ブローティガン』(新潮社)を読み始める。読みながら『LISTENING TO RICHARD BRAUTIGAN』を聴く。自作を読むブローティガンの声は破たんがなく聴きやすい英語で、物静かな感じさえする。もう、この声の人はいないんだ、と思うと、不思議な気持ちがしてくる。