銀座界隈ドキドキの日々

現在4丁目の住人

会社に置いてあった『銀座百点』で和田誠がゲストになった鼎談を読んでいたら、「そういえばこの九月に、横尾忠則が言いだしっぺで、横尾忠則宇野亜喜良灘本唯人とぼくで展覧会をします」とあったので、会社が引けたあと『銀座界隈ガヤガヤ青春ショー』を見に、ギンザ・グラフィック・ギャラリーに行く。ポスターばかりだとちょっとつまんないかな、と実はちょっぴり思っていたけど、そんなこと、全然なかった、面白い。それぞれの生原稿のウツクシサに食い入るように見てしまう。家に帰っては、展覧会のチラシに書かれている1961年の銀座の地図と、『銀座界隈ドキドキの日々』(文春文庫)の表紙になっている1963年の地図を見比べ、さらに今の銀座の地図と見比べ、文庫を読みなおしたり。そういえば、『銀座界隈ドキドキの日々』は『銀座百点』の連載だったんだ、といまさらのように気づく。

入社したてのころ、会社は今より羽振りがよかったので、たまに上司が銀座のバーに連れて行ってくれた。食事の前に軽く一杯、のときもあれば、食事のあとにもう一杯、のときもあり、バーのママと一緒に歌ったりということもあった。当時のお店は今はないところもあるけれど、なんだか馬鹿みたいに楽しかった気がする。そのときまでは銀座といえば、「並木座」とかせいぜい「プランタン銀座」程度だったから、あの時代がなかったら今でも銀座にそんなに馴染めなかったかも。あれも青春だったのかなあ。