悲しくてやりきれない

白鳥もいます

川村記念美術館マーク・ロスコを観にいこうと、休日だけれど会社に行くのと変わらない時間に起きて家を出る。遠出に備えてカバンにはクッキーとチョコレート、電車本はなんとなく現代美術と似合うかなあ、と思って、カポーティ『カメレオンのための音楽』を用意し、電車とバスを乗り継ぐこと2時間半。ようやく佐倉の牧歌的風景に突如現れるメルヘンなお城へたどり着く。赤茶色のシーグラム絵画15点に囲まれてしばしぼんやりする。一緒に展示されていたロスコの書簡がよかった。手紙とか日記とか、どうしてこんなに楽しんだろう。マーク・ロスコはもちろん良かったけど、以前にここに来たときに見られなかったコーネルの箱が見られたのも、今回は満足。お昼は自然散策路で購入したお弁当(五目ごはん)とコーヒー。

帰りは京成で上野に出て、上野の古本屋さんと新刊書店をハシゴし、金子光晴詩集『IL』(勁草書房)と『現代詩文庫75 荒川洋治詩集』を古本で、買いそびれていた『モンキービジネス』対話号を新刊書店で買う。お土産のクッキーを買って電車に乗り込み、モンキービジネスの小川×川上対談を読み始めたらすっごく面白く、降りるときにクッキーを網棚に忘れてきちゃった・・・。ショック。今頃は見知らぬ誰かの胃袋に納まっているのだろうか。

夜、だんなさんが実家からもらってきたスズキのお刺身とアラが、おもいのほか泥臭く、調理法と食べ方をめぐって喧嘩になる。夕飯がまずいとなにもかもが悲しい気持になる。夕方までは楽しかったのになあ。クッキーを忘れたころが「けち」のつきはじめだったのだろうか。