暗い春

morinori2009-03-15

暖かな日差しのなかに少しだけひんやりした春風が吹く心地よい一日。高校生までを過ごした名古屋は、ここよりも春が来るのが早かった。3月に入ったらコートは脱いで、制服(セーラー服だった)には軽くカーディガンをはおればそれで十分だったので、都内の大学に進学したとき名古屋にいるつもりで軽装で入学式に出席したら風邪を引きそうになったのを覚えている。以来、私の中ではここは北国の南端というイメージになった。だから、というわけじゃないけど、春がくるのは本当に嬉しかった、去年までは。

今年は去年までなんとかやり過ごしていた花粉症がとうとう薬を使わなければならないほどひどくなり、目薬と鼻の薬が手放せない。今日だって、お布団を干せば気持ちいいんだろうなあと思ったけど、その後のくしゃみが怖いのでやめておく。

外出はしなかったけど、こういう日に一番ぴったりくるのは、くるりの『春風』。『ナボコフの一ダース』のなかの「フィアルタの春」もこの季節に読みたくなる。どちらにもぼんやりと霞がかかったような春で遠くに汽車のかげが映るところが好きなのだ。