きみどり、みどり、あおみどり

異動してからずっと、新しい仕事に慣れるのにせいいっぱいで、ブログを書くのも読むのもなかなかできない。ましてや本屋さんに寄る時間もないし、なんだか今はウオーサオーするばかり。早く自分で仕事をコントロールできるようになりたい。

小津ごのみそれでも通勤時間に少しずつ読んだエイミー・ベンダー『燃えるスカートの少女』(角川文庫)はすばらしかったし、日曜日に一息に読んだ中野翠『小津ごのみ』(筑摩書房)も、すでに『ちくま』で大半を読んでたにもかかわらずやっぱり面白かった。著作の全部を読んでいるわけではないから多少あいまいだけど、中野翠といえば短いコラムでささっと意見を述べるのが得意な印象だった。だけど『小津ごのみ』を読んで、特定の一人の映画人(とその作品となる映画)について1冊の本にまとまるだけの文章を書き上げることができる人だったんだ、と、なんだか中野翠の別な面を発見したような気持ちになった。ずっと昔、別冊少女コミックだったか別冊少女フレンドだったかで「キミドリねえさん」として読者からの相談に返事を書いていたときから面白いなあと思っていたけど、ここにきて単に面白いだけじゃなくなってきたような感じ。中野翠さんが腰をすえて書いたものをもっと読みたくなってきた。

明日も忙しくなりそう。通勤本は、春になったら読もうと決めていたアガサ・クリスティ『春にして君を離れ』にするつもり。