読書はあせらず

海の仙人 (新潮文庫)絲山秋子『海の仙人』(新潮文庫)を読んだ。はじめての絲山作品。絲山秋子を読もうと思ったきっかけはもう覚えていないけど、少し前から何となく読もう読もうと思っていた。新刊で買わずにブックオフに流れてくるのを待っているうちに1年ぐらい経っちゃったような気がする。今回ブックオフで見つけてようやく読んだけど、あせってあきらめないでよかったあ。かなり好き。5年ぐらい前に『いつか王子駅で』を読んで堀江敏幸のことを今回と同じように「かなり好き」と思った。以来ずっと読み続けていて裏切られることのない堀江敏幸のように、絲山秋子もなってくれるといいなあ、と思うぐらい好きな感じ。とりあえず明日は最近文庫ででた『袋小路の男』を新刊で買いたいと思う。

絲山秋子以外に気になりつつも読んでいない人はまだまだいて、その一人は長嶋有。『タンノイのエジンバラ』の文春文庫の装丁がかなり好みなのと、朝日新聞の連載小説の挿絵を高野文子が担当しているというところが、とても気になっている。気になっているならさっさと読めばいいものを、ブックオフで見つけたら読もう、とか、高野文子の挿絵がたくさん詰め込まれた単行本が出たら読もうとか、そんなこんなで延ばし延ばしのまま。いつまでたっても半歩どころか三歩ぐらい遅れた読書術なのである。