お菓子屋さんには氣がつかなかった

チョコレイトは明治♪

チョコレート好きなので、コンビニの棚にお菓子メーカー各社の新作チョコレートが並ぶようになると、ああ、ここでも冬が来た、と思う。昔は「おでん」が並ぶと冬を感じたけど、最近は夏でも置いてあったりして季節を感じない。それに比べると新作チョコレートのほうがよっぽど季節を守っているような気がする。さて、よりどりみどりの新作をおさえて、本日選んだのは「アポロ」。明治のブラックチョコレート、キットカット不二家ルックチョコレートと並ぶ私の永遠の定番。会社の机の引き出しに、家の冷蔵庫にと、常備率高し。

そんなわけなので、くだくだと前置きを長くしたが、堀江敏幸『バン・マリーへの手紙』(岩波書店)に「月着陸船を模したグリコの「アポロチョコ」のような」(p71)と書かれているのが気になって仕方なかった。仮に堀江さんがグリコファンだとしてもここは言わせてもらおう。アポロは明治製菓です。グリコはポッキーです、アーモンドチョコレートです。誰かに訂正してもらいたい。

萩尾望都の短編集『山へ行く』の最後に収められた「柳の木」は、もうひとつの『岸辺のふたり』なのかな、と思った。舌をかみそうに長ったらしいばかりかパソコンで打ち込むのも面倒くさい名前の監督、マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット超短編映画『岸辺のふたり』を観たのは2年ぐらい前だったかなあ。映画では父がいなくなって娘が面影を追うが、「柳の木」では入れ替わって母が息子を見守り続ける。どちらも短いのに残る余韻は長い。