がぶりより人生

ひきつづき、風邪にがっぶり寄られております。会社の先輩から「今年の風邪は長引くぞ」と脅されたとおり、そのまんま。朝、薬と一緒に栄養ドリンクを飲んで、とりあえず夕方まではもたせても、帰りの電車でゆらゆら揺れていると効きめも切れてくるのか頭がぼおっとしてくる。帰宅したらぼおっとしたまま熱燗を体に流し込み、冷え切らないうちにお風呂に入ってそのままベッドに直行。そんな生活も4日目になってようやく沈静化の兆しが見えてきた。ここのところ会社帰りに寄り道する気力もおこらなかったけど、今日は古本屋さんと新刊本屋さんに。

新編 かぶりつき人生 (河出文庫)
倉橋由美子は古本屋さんで100円で。田中小実昌は先週の『週間文春』で坪内祐三が取り上げていたのが気になって。でもこれで河出文庫は、澁澤龍彦『世紀末画廊』、須賀敦子須賀敦子全集第3巻』に続く購入となったので、キャンペーンの「坂崎千春イラスト特製文庫バッグ」がほしいと思っている私には嬉しい。当たってくれるかなあ。

本醸造の「新政」をぬる燗にして『新編 かぶりつき人生』を読む。コミさんの文章は朝よりも夜、そしてお酒が入るとますますスイスイ読めるような気がするのは気のせいだろうか。「芸人は履物(げそ)がだいじですよ。たこ焼きのいれものにつっかい棒をして、白いペンキをぬってから、フロ屋の煙突のなかに三日三晩つるしておいたような、そんなハイヒールじゃ、踊ろうたって、むりだ。」(p139)なんて文章に「どんな靴だ!?」と軽いツッコミをいれながら読み進むうちに、風邪の体も軽くなっていくよう。