バナナフィッシュにうってつけの日

バナナ色で統一

暑い。風が吹いているけどドライヤーの熱風のよう。暑いなあ。一度涼しくなっただけに暑さがぶり返すと体が気温の変化についていけない。とりあえずビールでも飲んで本でも読もう。

原宿のブックオフ(この9月に閉店するらしい。残念)で買ったばかりの、本の雑誌編集部編『活字探偵団 増補版』(角川文庫)を選ぶ。日本で一番文庫点数が多い作家は誰か?とか、昭島にあるという新幹線車両をそのまま使った図書館とか、飲み会の席で使えそうなコネタが満載で面白い。なかでも献辞に焦点をあてたのは、ボリス・ヴィアン『うたかたの日々』やリチャード・ブローティガン『愛のゆくえ』が取り上げられて面白かった。私が今まで読んだなかでは私はサリンジャーが一番ひねくれてると思うなあ。

昼食の席の相手に向かって、冷たくなった白隠元を食べるように要請するマシュー・サリンジャー(一歳)の精神に酷似した精神でもって、私は、私の編集者にして教導者にしてなおかつ私の(気の毒なるかな!)親友でもあるところの、かの雑誌『ニューヨーカー』の守護神、のるかそるかの冒険を愛好し、生産力の乏しき者を保護し、救い難きまでに飾りめかしたるものを擁護して、しかも理不尽なるまでに謙譲なる、生まれながらの大芸術家編集者ウィリアム・ショーン氏に対し、いささか貧寒たる相貌を呈する本書を受納せらるるように要請する。
フラニーとゾーイー』(新潮文庫

これじゃあ献辞じゃなくって脅迫だよ。『大工よ、屋根の梁を高く上げよ シーモア―序章―』もユニークな献辞だなあと思ったけど、書き写しているうちにビールで眠くなってきたのでここでおしまい。昼間のビールは酔いが早いのだ。