暑いけどミステリを読もう

ハマースミスのうじ虫 (創元推理文庫)キングとジョーカー (扶桑社ミステリー)せっかく涼しくなったと思ったら、また暑さがぶり返す。秋はまだまだ遠い。先日100円で買った瀬戸川猛資『夜明けの睡魔』(早川書房)をぱらぱらとめくっていたら、ウィリアム・モール『ハマースミスのうじ虫』(創元推理文庫)を読み返したくなった。で、家の中でいちばん風が通る階段の踊り場に座布団を敷き、麦茶と氷をポットで用意して読む。瀬戸川さんは「ラストの3行」が”どんでん返し的”として褒めているのだが、私はやっぱり犯人を追い詰めていく過程にどきどきするという、いたってフツーの読み方。だけどここのくだりは覗き趣味的で何度読んでも面白い。

普段あまりミステリを読まないだけに、ちょっと読み始めるとその面白さにすぐアタッテしまう。今日はミステリ日和だと決め込んで、続けてやはり『夜明けの睡魔』で取り上げられていたピーター・ディキンスン『キングとジョーカー』(扶桑社ミステリー)も読む。育児係のダーティが登場すると『千と千尋の神隠し』のゆばーば&ぜにーばをなんとなく思い出してしまうなあ。強烈。

夜はミステリ熱が冷めてきたので、本棚からロジェ・グルニエ『別離のとき』(みすず書房)を選んだ。臙脂の表紙だけど暑苦しくない。雨が少し降って、外の気温も少しは下がったみたい。