贈る本

筑摩書房版

本の雑誌』9月号のなかで穂村弘が「本を贈ること」について書いていた。本を贈るのは難しい。その本を欲しがっている、ということを知ったうえで贈るんじゃなくってまったく未知の本を贈る場合は特に。それが古本だったらやっぱり、相当本好きの人じゃないと喜んでくれないかもしれないなあ、と思う。でもブックオフの100円棚に好きな本が並んでいると持っているにもかかわらずなんとなく素通りできなくてつい買ってしまうのだ。須賀敦子トリエステの坂道』(新潮文庫)、武田百合子『ことばの食卓』(ちくま文庫)、ヘミングウェイ『われらの時代』(福武文庫)あたりはよく見かけるので2冊以上買ったかも。いまだにお嫁に出せず待機中のものあり。

穂村弘が贈る古本として待機させているなかには、立ち読みなのでうろ覚えだけど、倉橋由美子『聖少女』、金井美恵子『夢の時間』、素九鬼子『旅の重さ』、内田善美『空の色に似ている』『星の時計のLiddell』などがリストアップされていた。『旅の重さ』が入っているところがすてき。私は戸川純が『オリーブ』で推薦していたのをきっかけに読んだけど、よかったなあ。この本がブックオフにあったら迷わずもう一冊買います。高校生に似合うと思う。しかし仮に買ったとして今の私に現役高校生の友達ができるかどうかは、さらなる問題。

夜は、矢野顕子レイ・ハラカミの新譜『yanokami』を聴く。「La la Means I Love You」なんてThe Delfonicsからかなり遠いところまで来ているけど、意外といい。