ウオーサオー

蒸し暑い夜。南の空に赤い月がぼんやりとかかっている。

毎晩のように見ている「ツール・ド・フランス」はピレネーの山岳地帯でいよいよ盛り上がったところでまたもやドーピングが発覚し、ここ数日は揺れに揺れた。有力選手が次々と抜けてしまって今日のレースにいたってはすっかり盛り下がり。なんだかなあ。私の気分も「ツール」に左右されてすっかり右往左往。日記を書く気もおこらず、本を読む気にもならず、梨木香歩を読んでみようと『ぐるりのこと』(新潮文庫)をかばんに入れたはいいが、栞ひもは最初の十数ページのところに挟み込まれたまま数日が過ぎてる。

「ツール」がウオーサオーの発端となったことは確かなんだけど、そうじゃなくって以前から職場のことで爆弾を抱えていたのだ。ここのところそれが急に表面化してきて自分でもちょっとどうしていいのかわからない。今日は仲良くしている先輩のお姉さま方とお食事だったんだけど、私の不安定状態を見抜かれてしまって、いろいろ叱咤されました。ありがたいことです。そう、もっとしゃんとしなきゃ。