あなたに似た人

表紙は古いほうがかっこいい

会社の先輩から「さいたまのきき酒会に行ったでしょ」と唐突に話しかけられる。どうやらNHKの首都圏ニュースで「きき酒会」が報道され、そこに映っていたらしい。その後、もう一人の先輩から「見たわよ」と意味深な微笑みがあった。まずい。いったいどんな映像になっていたのだろう。思わずそれは私ではなく「私に似た人」です、といって逃げ出したくなる。いかにもの酒豪のように、映っていなければいいんだけど。

週の後半からロアルト・ダール『あなたに似た人』(ハヤカワ・ミステリ文庫)を通勤の友として携帯中。前半は賭け事の話が多く、自分とは似ても似つかない人ばかりと思っていたが、ふと思い直し、賭け事にのめりこむ人々とお酒に溺れる人々とは共通しているかも、と思った。先日読んだばかりの、麻薬に溺れる平野威馬雄『陰者の告白』といい、のめりこむ人たちの話が続く。飲み会続きで酩酊してばかりの自分に重なるなあ。反省。