庭にくる鳥

実家の近くにはキジが来る

ここのところの雨ですっかり庭の雑草が伸びてしまった。梅は小さく実がなりかけているし、もみじは若葉が出揃った。夏椿やヤマボウシもそろそろと緑の葉をつけ始めている。こんなふうに庭がみどりみどりしてくるのは嬉しいけど、草むしりだけはどうしても進んでやる気にはなれないなあ。しかしこれ以上放置すると隣家から冷たい視線が飛んでくるので意を決して作業する。気分が軽くなるようiPod大貫妙子でも聞こう。

平野威馬雄『陰者の告白』は昨晩のうちに読んでしまい、そのすごさに圧倒されてしまったので今日はもう少し穏やかな本を読みたい。朝永振一郎『庭にくる鳥』(みすず書房)を手に取る。

冬から春にかけて来る鳥は、ひよどり、むくどり、おながのほかに、しじゅうがら、あおじ、かわらひわ、ひたき、うぐいす、めじろなどがある。その中でおなが、しじゅうがら、そしてむくどりは一年じゅう来る。ひよどりは夏に山へ帰るという話だが、何羽かは残っているらしい。春から夏秋にかけてはきじばとが毎日のように来る。五月ごろしじゅうがらは十数羽の集団でチーチー鳴きながらやってきて、庭木の虫をとってくれる。すずめはもちろん一年じゅうやってくる。

あおじ、かわらひわ、ひたきなどはあまり知らないので、だんなさん愛用の『野鳥小図鑑』(東海大学出版会)を借りる。写真を見てもよくわからないが、多分うちの庭には来ていないような気がする。つぐみは何度かみかけた。こじゅけいは、朝永さんも「みられなくなった」としているが、だんなさんに聞いたらやはり昔はよく見たが最近は見ないらしい。
結婚前に弟と住んでいたマンションの隣に古い家があった。とうとう取り壊されて駐車場になったけど、あるとき夜遅く帰ってきてマンションの階段をあがったら、手すりの上に黒い塊がある。なんだろうと思ってじっと目を凝らしたら、なんとふくろうだった。古い家は敷地はそれほど広くなかったけど、木が育ってしまって鬱蒼としていたから多分住みついていたんだろうと思う。ふくろうなのか、あおばずくなのかよくわからなかったけど、庭(?)にきた鳥で今までに一番びっくりした。