口八丁手包丁

装丁は和田誠

うららかな春の休日だけど、だんなさんの風邪が長引いているのでおおっぴらに遊びに行くのはちょっと気が引ける。遠出したかったんだけど仕方ない。夕飯の買出しついでのブックオフ散歩でがまんする。単行本が500円均一だったので、和田誠装丁の片岡義男『坊やはこうして作家になる』(水魚書房)を買う。ついでに新刊書店によって『ku:nel』も買う。台所の写真がいっぱいあるのが楽しい。人の家に行くとついつい見てしまうのが台所。インテリア雑誌でも台所の写真があると、おなべの収納方法とかふきんのかけ方とか、ちまちまチェックしてしまうのだ。個人的には料理家の渡辺有子さんぐらいのきっちり感にあこがれるなあ。

だんなさんの雑炊をつくりながら、先日古本屋さんで見つけた金子信雄『口八丁手包丁』(実業之日本社)をぱらぱらめくる。「酒飲み必読」とオビにあるように、めくってもめくっても酒の肴になるものばかりで嬉しくなる。やっぱり酒飲みの料理本はいいなあ。さらに金子さんの語りも酔っ払って書いてるんじゃないかと思うくらい、好き勝手なことを言っているのが面白い。

今日は参月の肴から「若布と玉葱のマヨネーズ和え」をつくって、雑炊の後ひとりウィスキーをちびちび飲んだ。