うつるは にがきわがかげ
嫌なことがあって、たいていその元凶は会社にあるのだが、もやもやとしたものが全身を覆いつくすようになると、もうだめ。上手く外に発散させてすっきり出来ればいいのに、何年たってもそれができない。いつまでもウツウツしたまま。
そういうときに手に取る本はだいたい決まっていて、そのうちの一つが永瀬清子『あけがたにくる人よ』。辛さを丸ごと抱えてしまっても、そんなものには負けないぞ、という感じの力強さに勇気付けられる。
私は現世の大タオルで
ぱっと自らのしずくを抱きとろう
今ひと息 この世ではばたくため
仮の大きな翼に包まれるようにと「夜ふけて風呂に」(永瀬清子『あけがたにくる人よ』思潮社)
今日はあらいたてのふかふかのバスタオルを用意して、モヤモヤは湯船の中に沈めてしまいたいと思う。