名古屋人による感想

お昼休み、会社に『文藝春秋』が届いていたのでぱらぱらとめくる。「文春・夢の図書館」の特集で川上弘美さんが挙げていたのは「究極の恋愛を体験する10冊」で、「恋愛小説を選ぼうと思ったのに、夫婦の小説ばかり選んでしまった」のがなんとなく川上さんらしいなあと思う。なかでは河野多惠子さんの『秘事』を「うつくしければうつくしいほど、怖い」小説としてたいへん褒めていたので読みたくなった。先日読み終えたばかりの『後日の話』(面白かった!)も川上弘美さんが解説していたし、なんとなくツボにはまってきたような予感。

帰りの電車で光文社古典新訳文庫ゴーゴリ『鼻/外套/査察官』を読了。落語調は案外似合っていたと思うけど、「外套」のはじめのほうに「並大抵の寒さじゃあない。ここではそれを<どえりゃー寒さ>と申すんだそうで」と、名古屋弁がでてきたのはがっくり。なんで名古屋弁? 日経新聞でチンギス・ハンを主人公にした小説を堺屋太一が書いてるけど、そこでムスリム商人がいきなり大阪弁をしゃべったのと同じぐらいの衝撃があったわよ。

鼻/外套/査察官 (光文社古典新訳文庫)

鼻/外套/査察官 (光文社古典新訳文庫)