ソ連の味
土曜日の夕方からの風邪でまだ体調が戻らない。午前半休をもらう。うとうとしながらカポーティ『詩神の声聞こゆ 〜犬は吠えるⅡ』を読む。ソ連ではキャビア、シャシュリック(串刺しの焼肉)、ウォッカがふんだんにあるものと期待してレニングラードへ向かうが予想に反して(?)なかなか食べられないのがおかしい。キャビアなんて、私が旅行したときでもふんだんにはなかったなあ。そう思って、武田百合子さんの『犬が星見た』と自分の旅行メモを探す。それぞれ食堂車で食べたもの。
カポーティの場合(西ベルリンからレニングラードへの汽車・1955年)
- ヨーグルト
- ラズベリー・ソーダ
- 水っぽいスープに沈んだ丸太のように横たわる硬いヌードル
- パン粉をまぶした子牛のカツレツとゆでじゃが芋と鉄砲玉のような音を立てて皿をころがる豆
- バニラ・アイスクリーム(ひじょうにおいしかった、とある)
武田百合子さんの場合(ナホトカからハバロフスクへの汽車・1969年)
- パン、バター
- キャビア
- 牛肉バター焼き、じゃがいもつけ合せ
- 紅茶
なんと、キャビア登場!
私の場合(ハバロフスクからイルクーツクへのシベリア鉄道・1989年)
いずれもソ連時代の食堂車。カポーティと私は30年以上の隔たりがあるけど、あまり代わり映えしないのが面白い。でもラズベリー・ソーダは無かったな。ソ連のバニラアイスはどこでも手軽に食べられたけど、本当においしかった。今でも味を覚えている。