LOST

なんだか忙しい。気がついたら7月も10日を過ぎているし、ツール・ド・フランスは1/3を終えようとしているし、庭の雑草は伸びっぱなしになっていて、バーゲンで買ったお洋服は買ってきたままの状態で積まれたままになっていて、そして7月に入って読んだ本は、堀江敏行の『もののはずみ』を文庫で再読し、続いては村上春樹の『蛍・納屋を焼く・その他の短編』と山田稔『スカトロジア-糞尿譚』(講談社文庫)で、『スカトロジア・・・』を読んでいるときにちょうど健康診断があり、なんだか複雑な気持ちになったものでした。夜寝る前に読むのもなんだかなあ、と思って朝の通勤電車で読んでいたけど、それがよかったのかどうか。文庫といえど、ページのあちこちにウ○○の文字がある本を、満員の電車で読むのは、多少隣の人の視線も気になるし、緊張しながらの読書だったのでした。

夜はすこーしずつ堀江敏行の『彼女のいる背表紙』(マガジンハウス)を。ツール・ド・フランスの連日の観戦で12時過ぎまでテレビを見ているので、なかなか進まない。しかし、楽しみは少しずつでよいのだ。ビールを飲みながらテレビを見て、少し眠ってお風呂に入って、またテレビを見て、ハイボールを飲んでツールのフィニッシュを見て、それが夏なのだ。

目白雑録 2 (朝日文庫)グーグーだって猫である (3)金井美恵子『目白雑録2』(朝日文庫)を買う。バスに乗り込んで読み始めたら面白くなり、降車ボタンを押すのを忘れて降りる駅を通り過ぎてしまった。バスのひと駅だから歩けるけるんだけど、つい近道かなあ、と思って裏道に回り込んだのがいけなかった。うちの近所は裏道が複雑でくねくねしているので、近所といえど道に迷ってしまうときがある。気がついたらとんでもないところまで来ていて、かなり遠回りして家にたどり着いたのだった。飼い猫トラーが4日間帰ってこない話が載っていたけど、猫も道に迷うのだろうか。実家で飼っていた猫は家から出たことのない臆病猫で、だからみんなで「深窓の令嬢」と呼んでいたんだけど、あるとき網戸にしていた窓に近所の野良猫が襲い掛かり、びっくりしたウチの猫はそのまま網戸を破って飛び出してしまったのだった。母が必死で探したが、1週間後に少し離れた草むらの陰でひっそりと死んでしまっているのが見つかった。初めて出た家の外で、猫缶以外はほとんど何も食べない猫だったから飢えてもいたんだと思う。老猫だったし、腎臓も悪くなっていた。でも野良猫がこなければ、最後はもう少し長生きできたのかなって思う。なんだか大島弓子のグーグーを読み返したくなった。