秋の日は釣瓶落とし

和室で読書

台風一過で朝からすばらしく良い天気。縁側から庭に差し込む柔らかな陽射しを眺めているだけでシアワセな気持ちになる。いい天気だなあ。のんびりと朝ごはんを食べたあと、読みかけていた永井龍男『青梅雨』を開く。でも、今日の気分となんか違う。本棚をごそごそして森有正『遥かなノートルダム』(筑摩書房)を選んだ。うん、いいかも。

『遥かなノートルダム』の装丁は石岡瑛子栃折久美子森有正先生のこと』(筑摩書房)には、装丁担当であった栃折さんが周囲の反対を押し切り、まだあまり本のデザインをしたことのない石岡さんに依頼したことが書かれている。函のデザインがかなりシャープで幾何学的なので「筑摩的でない」と反対されたらしいが、本体は深いグリーンの布地に函と同じ幾何学模様が型押しされていてシックなのだ。すてきだと思う。

お昼ごろ、いつもとは違うブックオフまで行ってみる。『コインロッカー・ベイビーズ』を読了したので読みたくなった『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』(上・下)や宮脇俊三『線路の果てに旅がある』などを105円で。あとタランティーの監督『ジャッキー・ブラウン』のサントラが500円だったので買う。これはドライブのBGM用にクルマに積んでおこう。

夕方も朝の続きの森有正。寝転んで読むというより、座敷で正座して読みたくなる。

陽が落ちてから、出張帰りのだんなさんを駅まで迎えに行った。帰り道、びっくりするような大きな月が北東の空に低く輝いていた。あんな月が見られることもあるんだなあ。