Ladies in Ginza

今週は毎日9時から映画を観てる。普段は私よりも夜の予定が少ないだんなさんが、珍しくずっと飲みに出てるのと、一方で私はほとんど予定をいれずに帰宅しているのでなんだかいつもと勝手が違い、暇にあかせて映画を観てるのだ。月曜はBSで『永遠のマリア・カラス』、火曜は近所のシネコンまで『めがね』を、水曜はまたまたBSで『ベルリン・フィルと子どもたち』、そして今日はやっぱりBSで『ラヴェンダーの咲く庭で』。『ラヴェンダー・・・』の老姉妹はかわいらしく、少し前の『銀座百点』で読んだ中野翠さんの文章を思い出した。朝早い銀座の喫茶店で60代後半と思われる女性が普段着のままゆったりとコーヒーを飲んでくつろいでいるのを見た中野さんは、女性は近所に住んでいて散歩帰りに寄ったのではないかと想像し、「私もそんなふうに暮してみたい」と想いを述べている。

いいなあ、おもしろいなあ、私もそんなふうに暮してみたいなあ。散歩のあとは銀座のお気に入り喫茶店で朝一番のコーヒー。
銀座か築地のはずれ。古い小さなビルの屋上。にもかかわらず緑がたっぷり。樹々と草花。ちょっとした菜園も。小さな家、というより小屋。そこに一人の、因業ジジイ顔の老婆(私)。ときどきやってくる、もう一人の老婆(妹)・・・
「夢の暮らし」『銀座百点』2007年9月号 p53

中野翠=(『ラヴェンダー・・』姉役の)マギー・スミス。あってる、と思う。