壁もなく、扉もなく、窓もなく

友達が「いいよ」と勧めてくれたので夏目漱石『坑夫』(新潮文庫)を読む。面白い。高校生のとき夏目漱石の小説を1冊にまとめた雑誌みたいなつくりの『ザ・漱石』という本を買い、いくつか読んで以来の漱石だったけど、新鮮だなあ。未読のものも読破したくなってきた。

先日、森美術館の下のフロアにある本屋さんで見た巌谷國士上野紀子中江嘉男『扉の国のチコ』が忘れられなくてアマゾンで注文したのが今日、届く。窓を開け放し、昨日から続く強い風が吹かれながら読む。どんよりとした灰色の空とざわざわした風の音が、この本に似合っていると思った。

扉の国のチコ

扉の国のチコ