なぜカルヴィーノを読むのか

「見えない都市」は良かった

読もうと思っていた本のリストはいっぱいあるし、積読状態の本もまだまだあるのに、なんだかどれもピンとこないなあ、と、昨日の夜はお風呂を出てからしばらくパジャマで本棚の前をうろうろ。危うく風邪を引きそうになった。天気予報で雨だといっていたから、バッグをコンパクトにするためには単行本じゃなくて文庫本、長編もいいけど短編でなにか、と悩んだ挙句手に取ったのはイタロ・カルヴィーノレ・コスミコミケ』(ハヤカワepi文庫)。

カルヴィーノはなんとなく気にしていて、古本屋さんで見つけるたびに少しずつ買ってはいたけどこれは新刊で買ったもの。奇想天外な短編ばかりなので読むタイミングを見計らっていたけど、春ってふわふわと浮ついた雰囲気がそこらかしこに満ち溢れていて、多少の不思議もそのまま現実として受け入れられそうなところが、この本に似合っていると思う。

まだ半分しか読んでないけど、冒頭の短編「月の距離」で早くもくらくらする。昔語り風のSFと思いきや、狂おしい恋物語なんだもん。あーあ、春だなあ。