郊外への通勤電車

昨日はレディースデーだったので映画『パリ、ジュテーム』を観た。ジーナ・ローランズやファニー・アルダンが出てきたのは嬉しかったけど、さすがに短編18話はめまぐるしい。『パリところどころ』のように6話ぐらいに絞ってくれたら、もう少し落ち着いて観られたのになあと思う。

筑摩書房のサイトがリニューアルしたのは知っていて、本棚から本を取り出すように楽しめるトップページを見るたび、端から順番にクリックして表紙なんかを確認していたけれど、いつの間にかみすず書房のサイトもリニューアルしていて、やっぱり本棚から本を取り出せるようなトップページになっているので嬉しくなった。みすず書房のサイトは地味ながらも、本の表紙、背表紙だけじゃなく裏表紙までが確認できるのが楽しい。みすず書房って凝った装丁の本がたくさんあるわけじゃないんだから裏表紙まで見せなくってもよさそうなんだけど、店頭で本を見るときはやっぱり背表紙→表紙→裏表紙とひととおりじっくり見ずにはいられないし、外見をひととおり確認した後は表紙を開いて見返しの色を見てからおもむろに本文ページをめくり、冒頭をちょっと読んでからあとがきや解説を読んだりするのがなんとなくの儀式となっているので、背表紙→表紙→裏表紙と確認できるサイトはツボを突かれた感じ。しばし楽しむ。

容疑者の夜行列車アメリカ―非道の大陸帰りの通勤電車で多和田葉子『容疑者の夜行列車』(青土社)読了。『アメリカ 非道の大陸』で始めて多和田葉子を読んで面白かったので『犬婿入り』を読んだら、これはあまり楽しめなかった。『容疑者の夜行列車』は『アメリカ 非道の大陸』と同手法で書かれていて私はこっちのほうが好み。いつもの通勤電車に揺られていたはずなのに、ページからふっと目を上げると、今いる場所や時間がどこかに消え去ってしまったように思える読書の旅だった。