お土産はザボン

あか、しろ、きいろ

よみさしの文庫本を机の上に置いたまま退社したことに気づき、取りに戻るのも面倒なのでそのまま本屋さんによって帰り道に読む本を買う。なぜか家の近所の本屋さんにおいてなかったため買い逃していたチャペック『チェコスロバキアめぐり』を購入したところで『yom yom』発見。もう一度レジに戻ってこれも買う。

2号の表紙は意表をつくホワイト。あか、しろ、と続いたので次はきいろか、と勝手な想像をした。『yom yom』のヒットの理由は文字が大きくてシンプルなことだと、コラム「新刊をヨムヨム」で大森望が「波」2月号に掲載された松田哲夫の文章を引用して述べている。確かに国語の教科書を髣髴とさせる文字の大きさと組み方がイイのかも。余白にパラパラマンガの落書きも十分にできそうなゆったり感。仕事で疲れた体にもほどよく滲みこんでくる。

悪夢のようだった通信教育をようやく終えたので、少しのんびりしたものが読みたくなった。庄野潤三ザボンの花』を本棚から選ぶ。同じみすず書房の「大人の本棚」シリーズではじめて『ガンビア滞在記』を読んで遅まきながら庄野潤三の良さに気づき、『夕べの雲』(講談社文庫、解説は小沼丹)を古本で見つけて読んで、ますます好きになった。年末から心情的に余裕がなかったので、ようやく読めるようになって嬉しい。

帰宅しただんなさんがお土産に文旦を持って帰ってきた。お客さんからのおすそわけらしい。すごい偶然。文旦は長崎でザボンというんだそう。