プリマヴェーラ

お昼休み、会社に届いている『ミセス』11月号を読む。金井美恵子「森茉莉さんのこと、あるいはほめ言葉」がたのしい。「昔のミセス」のタイトルで毎号連載しているらしいこのエッセイは、先月は高峰秀子だった。今月は、金井さんが森茉莉にほめられた話。

金井さんによると森さんは、やはりというか当然というか、かなりはっきりとした審美眼をお持ちだったようで、一緒に行った女性編集者に「その洋服、色も柄も形も生地も大嫌い」と平然と言い放つ一方、金井さん姉妹には「あなた達の着てるものは自分の趣味にぴったりかなっている」と真面目な表情でおっしゃったそう。特にお姉さんの洋服については「ボッティチェルリの絵の中でそれを着てる女の人がいたって、断言したくなる」とほめたとか。素晴らしいエピソード。

夜、先輩に誘われてホテルで「ワインメーカーズ・ディナー」。料理ごとに、ぴったりのワインが注がれる。ワインと料理のマリアージュってこういうことを言うのね、と『春』の絵のように浮かれまくって帰宅。